2018年1月13日土曜日

自動車のEV/PHEV化の意味とSUBARUの勘違い

SUBARUの株を購入した。

というのも、父母の財産を預かることになったが、現預金のままで仮に1000万円持っていても年間1000円の利子にしかならないという驚愕の事実があり、さらには物価上昇による債務軽減を企む日本国政府の策謀(w)に対抗しなければ、額面は変わらなくても、その価値は減る一方だからだ。
(そもそも、円安誘導で80円のはずが110円なのだが、給料もドル換算、米国同一労働者と比べても40%安く、収入そのものもを減らされているのをどうにかしなくてはならないのだが)

SUBARUの株は安い。というのも配当が4%もあり、良く知られた会社の中では一番といってもいいくらいだ。なので試しに買ってみた。

ところが、買った途端に燃費偽装で大幅ダウン。しかし、この手の事件はそのうち忘れ去られ、株価も元に戻るのは当たり前なので、ナンピンした。

結果、いまのところ順調なんだけれども、問題は中国・欧州・米国をめぐるEV化、PHEV化の流れのなか、SUBARUの特徴の水平対向エンジンによる低重心ドライブの優位性がまったくといっていいほど消えてなくなってしまいかねない、というところだ。そうであれば、いくら現在価値での配当があっても、元手が溶けて無くなりかねない。

ただSUBARUも気にしていないわけではなく、2018年にPHEVを、2020年までにEVを出すということで問題ないわけだが、新型の86プラットホームなどを見るにまだ真剣ではないことがわかる。

そのSUBARUの言い訳がこうだ。

「EV/PHEVといっても電気の電送効率で40%近いロスがある。高効率のエンジンであればエネルギー変換効率において同等なものがある。EV/PHEVといっても電池重量の問題や、バッテリーコストがかかるため、タウンユースであればいいかもしれないが、エンジンベースのものと住み分けとなる。そのため、エンジンタイプの車はなくならない」

これは高効率エンジンを生み出しているマツダの言い分だったかもしれない(w)。一見もっともなところがある。
「ディーゼルの効率はいいが重くて高く、長距離乗らないと元がとれないよ、近距離ならガソリンだね。」という理屈と同様だ。

しかし、この主張は一見合理的なようでいて、現在でしかものが見えていない。

EV/PHEV化は、現在のエネルギー供給体系で見てはいけない。自然エネルギーへの補助金のおかげで、欧州だけでなく、日本でも九州などでは、天気が良く風が強いときは、自然エネルギーだけで電力需要を賄えるだけでなく、需要を超えた発電がなされる。

EV/PHEV車の合理性は、このような需要を超えた発電は、現在では揚水発電などで時間シフトしていくことになったり、電力会社が硫黄電池などで蓄える、という状況にあるが、より発電箇所に近い「家庭」でもって活用すべきである、というところにある。

つまり、EV/PHEVの動力となる電力は、発電所から運ばれるのではなく、「家庭」で発電した電力であり、「家庭」で使い切れなかった余剰電力を捨てたり、遠くに運んでロスをするのではなく、自動車に蓄えて活用する、つまり、車は余った電力でうごかせばいい、ということだ。

これは、ほとんどがタウンユースで、週末や買い物くらいにしか使わない車の移動エネルギーに、コストはいらないよ、ということだ。ましてや燃料の税金に40%も払う日本ではなおさらなのだ。結果としてほぼ100%の自家用車はEV/PHEVで良いということになる。

長距離で高い高速料金をはらうくらいなら、線路敷設も不要な、格安航空会社をつかって移動して、旅行先ではレンタカーでという合理性を考えるのであれば、なおさら自家用車はEV/PHEVしかいらないということなる。さらに都会ではEV/PHEVのシェアリングとなる。

SUBARUだけでなく、日本の自動車メーカはこの合理性に驚愕しなくてはいけないはずだ。そして自動車メーカの戦略は、家庭での発電サイクルを自社のビジネスモデルに加える、都会でのモータプール事業獲得のため、コインパーキング会社を買収する、というのが正解であるべきだが、日本の経営者の劣化というか、自社の立場を擁護してしまうのが戦略というのは非常にいただけないサラリーマン根性なのだ。

そういう意味では、自動車各社は「売り」なのだが、まぁ当面の金利に惹かれて買ってしまうという、近視眼的な日本人の典型な自分なのであった。

PS. PHEVのリチウムイオンバッテリーは100万円くらいするらしいので(価格差も)、ガソリン代が倍くらいにならないと割にあわないかも(一転してw)

PS2. SUBARUのアイサイトの評価は非常に高いようだ。しかし今では当たり前になっているSUV化の流れに乗り切れていない。SUBARUのSUVのデザインの酷さは目も当てられない。どうにかならんものか。

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